アクアプラス、ユメノソラHDからCREST社の子会社へ―開発力と人気IPが理由
|アクアプラス、ユメノソラHDからCREST社の子会社へ
2022年12月9日、CRESTはアクアプラスの株式を取得し、子会社化したことを発表しました。このため「とらのあな」を運営するユメノソラHDからは離れることになります。
アクアプラスは、Leafブランドの名で数々のエロゲを作ってきた老舗で、近年は全年齢向けタイトルに注力し『うたわれるもの』シリーズの続編開発を中心に行っています。
その歴史は長く、1990年代後半に『雫』『痕』などをリリースし、史上最大級にヒットした『To Heart』が多くの若者をエロゲに誘い込み、そこから『こみっくパーティ』で同人誌即売会に連れ込むというオタク製造コンボを決めてきます。コンボが決められた人がどうなったのかは、弊誌をご覧の諸兄には釈迦に説法かと思いますのでここでは割愛します。これらの作品の人気は、ヒットどころか流行と言ってもよく当時はKeyと並ぶエロゲブランドと謳われ”葉鍵”という名は今も時折インターネットで見られます。
その後、今も新作がリリースされるSRPG『うたわれるもの』がリリースされ、コンシューマへの移植も行われるだけでなくアニメ化などメディアミックスにも成功しています。
そして、またも大ヒットした『To Heart 2』や丸戸さんの作品でも最高峰と言える『WHITE ALBUM2』がリリースされます。『WHITE ALBUM2』は何回もリメイクされるほどで、多くの人のエロゲロードにその跡が残っているに違いありません。やるエロゲがないと言う方には、ぜひプレイしてもらいたい作品です。
今回の、CRESTの子会社化には、企画開発力に長け、豊富なIPを保有するアクアプラスをグループに加えることで、ゲーム事業の拡大及びIPの360°展開の拡大をグローバルに目指すことが目的となっています。また、ユメノソラHDはとらのあなの店舗を大幅に削減するなど業態を転換中で、今回の株式譲渡もその一環であると思われます。
近年は、エロゲ会社のIP活用を目論む企業の動きがあり、2021年にはエクストリーム社がネクストンを持分法適用会社化しており、これまで培ってきたエロゲコンテンツを活用したい思惑のある企業があるようです。開発資金が投じられることで、何かしらのエロゲIPを活用したコンテンツが作られることは喜ばしいのですが、もうエロゲを作ることはないのだろうと思うと非常に残念なものがあります。
IPの活用ということですから、ここは『To Heart 3』とか『White Album 3』とかそういったIPの新作での新規活用をぜひお願いしたいところです。