【エロゲクリエイターインタビュー】『脳内彼女・の~すとらいく 女装シリーズ永久保存パック』記念

|【エロゲクリエイターインタビュー】『脳内彼女・の~すとらいく 女装シリーズ永久保存パック』記念インタビュー

 

「男の娘は妊娠する」

この言葉はエロゲに触れた人はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。

これは、1人のエロゲクリエイターが10年言い続けた金言で、その男の情熱はとどまることを知らず、いつしか日本を飛び出して世界に広がっていきました。

まさに、力は山を抜き、気は世を覆う。とでも言うべき男の娘覇王項羽のような西田一氏のインタビューをお届けします。

2022年6月24日には『脳内彼女・の~すとらいく 女装シリーズ永久保存パック』の発売も決定し、そちらについてもお届けします。

それでは、見ていきましょう。

――今日はよろしくお願いします。最初にお聞きしたいのですが、どうやってエロゲ業界に入られたのでしょう?

自分の場合はサンプルシナリオとkirikiriで作成したミニノベルゲームを送付して、こんなのつくりましたけどいかがでしょうかとアピールしました。シナリオ単体よりも小さくても作品を完成させたことが評価になったみたいで、とりあえず関西のメーカーに色いろ送ってそのうちに当たった感じですね。

――そこから、全ての始まりである『女装山脈』開発へと進んでいったわけですね

ずっと男の娘モノをやってみたいと思っていて、いいタイトルが浮かんだのでやるか!と思って始めました。

――『女装山脈』という言葉が天から降りてきたと?

mixiの日記に山脈を縦走するって書こうとしたら、間違って山脈を女装するって書いてしまって、「ああ、そうか!」ってなったのが確かきっかけです

――何が「ああ、そうか!」なのかはわかりませんが…よくブランドを説得しましたね

脳内彼女は女性上位でMユーザー向けのブランドという方向や妹モノが知られていたブランドだったので本当に自分がやりたいっていうのがありましたね。

――『絶対妹至上主義』とかですね

続編の『絶対妹原理主義』がヒットしたこともあって、そんなに言うならハーフプライスでやってみたらってことになりました。流通の担当者がすごくイヤな顔をしたんですよ。あの顔は忘れられないですね

 

 

――まあ、未知のものですからね…本数も結構行ったとか

発売してすぐにリピートも入ったりして年内にはある程度の本数になったんです。こんなことなら最初からもっと作っとけばよかったなと。流通の担当がリピートをお願いにきた時の声がすごく弱弱しくて…

――新しい作風すぎて、本数を読めなかったのでしょうね。

流通さんも読めなかったみたいでした。初回ではすぐに売り切れて女装山脈難民が発生したりして余計に話題になったところもありましたね。

――作っているときから手ごたえはあったのですか?

いや、結構売れるだろうなって思ってました。それで、多めに作ったらあっという間に売り切れました。それ以降の流通さんは企画に関しては僕を止めなくなりましたね。

――ストッパーがいなくなってしまった…目標本数ってどれくらいだったのですか?

他社さんのことですのでリアルな数字は秘密にさせてください。でも、作っている途中で本数を考えるのもやめました。『女装山脈』はエロゲ以外の媒体でも取り上げられたりして勢いがあるんだなって思いました。

――それで、海峡になったと。

山と言ったら次は海だろうと。それから、学園(孕)ですね。学園(妊娠)もあります。

――何が違うんだ…

まあ、原画が違うとか…

――な、なるほど。シリーズで一貫してるのは出産することですよね

「男の娘は妊娠する」を10年言い続けてますね。そろそろ飽きられてるのかも。

 

 

――そこから脳内彼女を辞められて、の~すとらいくを始められたと

最初は同人でやっていこうかと思ったのですが、流通さんやユーザーさんがやってくれと言われていたんです。『久闊を女装する』というタイトルを同人で出して、『女装学園』、『女装千年王国』、『女装神社』と続いていきますね。

――海外に出すのはいつ決めたのですか?

パブリッシャーと話をして、『ネコぱら』がヒットしてたので女装も行けるだろうとパブリッシャーさんが判断したこともあってやってみようということになりました。

――両者に共通点がないような…

当時、ノベルゲーはすごく海外で売れていたので行けるだろうと思ってはいました。

――Steamの場合、価格が980円でしたが従来のエロゲでは考えられなかったのでは?

そうですね。ただ、海外にもこのジャンルが好きな人は絶対いると思っていたのでやったのがありますね

――リリースして、最初からヒットした感じですか?

割と売れてましたね。ただ、しばらくするとTRAPという単語がけしからんっていう声があったりして。

――海外から?

海外の一部のキャンセルカルチャーの人がそういうことを言い出したんです。LGBTの権利を守るというような主張をする人たちですね。

――それはどうやって治まったのでしょう?

あおぎりぺんたさんの弟子のプエルトリコ人が猛反撃したりしてくれたり、パブリッシャーが頑張ってくれたりしました。

――えぇ…ということは、そのプエルトリコ人が「先生が出るまでもありません。ここは私が」と戦ったわけですか

まあ……いろいろあったんですけど、逆にそれで売れたのもあるかなと思いますね。TRAPっていう単語が女装についての一番意味も伝わるし、面白いんですよね

――それは、ファンや、女装をしてる皆さんがTRAPという単語をポジティブに受け止めてを楽しんでいるわけですか

そうですね。あと、LGBTの人の中で喜んでくれる人もいるんですよ。『女装神社』のコスプレをしてくれるドイツ人の森の妖精とか。

――えっ?なんですか?

……いや、詳しくはやめておきましょう。ただ、楽しんでくれている人がいるわけです。

 

 

――そうですね…話は変わるのですが、そのプエルトリコ人の師匠あおぎりぺんたさんは男の娘についてどう考えているのでしょう?

脳内彼女時代に原画家さんを探していてその時にあおぎりさんと出会ったんですよ。それで、あおぎりさんに男の娘をやりたいって言ったら「僕もずっとやりたいって思っていました」って言ってもらって、あのタイトルの男の娘いいよね。とか話していたら、いつの間にか握手をしていました。

――話が早すぎる。二人がいいって思った男の娘は誰だったのでしょう?

あおぎりさんが何を挙げたのかは覚えてませんが、私は小林瑞代先生の『不思議の国の少年アリス』ってマンガとか、みやびつづる先生のショタ絵などを語っていましたね。

――話が濃すぎる。とはいえ、ヒロイン全員男の娘というのはなかったですね。

それまでも、かわいい弟みたいなキャラは登場していて、C:driveさんが『ツイ☆てる』(主題歌はツいてて☆ラッキー)っていうのを作ってたりしてましたが、全員というのはまだなかったですね。

――ああ、当時(2010年前後)たしかにかわいい男のキャラがいるタイトルは結構ありましたね。まだやっていないけど温めているネタってあったんですか?

ああ……ありましたね。女装魔法少女モノはまだやってないですね。女装したから魔法を使える魔法少女と、魔法の力を高めるために女装をした魔法少女がいて、それが戦っている。女装魔法少女と魔法女装少女の二種類がいて……

――わ、わかりました。ほかには…?

後は女装百合ですね。女装SFモノとか女装探偵モノに女装戦隊モノとか、女装ヤクザとか女装アポカリプスとか女装戦争、女装廓モノ、女装戦国時代とか……

――ア、アイデアはまだまだ尽きませんね。

これからも男の娘モノを何らかの形で作って、50年間男の娘ゲーを作ったと言いたいですね。

――最後になりますが、『脳内彼女・の~すとらいく 女装シリーズ永久保存パック』を出されますね。

丁度10周年だし、なにかやりたいとは思っていたんですよ。そこに流通さんから今までの女装山脈からの女装シリーズ全部だしませんかと提案をうけて、やりたいと思いまして。 脳内彼女さんの協力を受けてやろうという話になりました。
ありがたいことに脳内彼女さんも結構乗り気で、別の会社またぐと合同で出すのは難しいのですけどそこは古巣の縁というのが上手く働いたみたいですね。

――永久保存パックの中にはパッチを当てるタイトルもありましたが、そこはどうでしょう?

『女装海峡』はパッチあてないとハーレムいけない仕様でしたけどそこは初めから含んでいるバージョンになっています。女装神社シリーズもHシーン追加パッチは必要ありません。初めから全部含みます。あと、パッケージは描き下ろしです。あと描き下ろしの店舗特典がでます。

げっちゅ、アマゾン、ソフマップの三店舗ですね

――発売を楽しみにしたいですね。今日はありがとうございました。

 

|の~すとらいく とは?

元々脳内彼女に在籍していた西田一氏が退職後に興したブランドで、登場するヒロインは全て男の娘という尖りに尖った先鋭さが特徴となっています。

の~すとらいくの男の娘アイデアは枯れることがなく、渾渾と湧き続けて常に新たな男の娘とその虜となる者たちを生み出し続けています。Steam展開にも成功してしまったため、男の娘の虜となる者は世界規模で存在するようになりました。

|の~すとらいくのHなCGたち

『女装千年王国』から
『女装神社』から

|の~すとらいくサイト

https://no-strike.jp/


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